一対比較(AHP), ループをチェック,緩和な整合性制約,理想点・満足点
本ページは,AHPにおける代替案間の一対比較などを行うとき,一対比較の矛盾の原因である
ループを起こしている箇所,
緩和な整合性約を満たしていない一対比較を指摘したり,
あらかじめ代替案の順位を指定して,ループや緩和な整合性制約を起こさないように一対比較値の範囲を限定する.
「理想点,満足点を指定して」は,ある代替案を 理想点 に,別の代替案を 満足点に指定して,そのウエイト(評価値)を固定する.
このページでは,対話的に一対比較を行うCGIを作成した.
- ループ
- A,B,C の3項目間に A > B と B > C という選好関係があるとき,A < C のような 関係があるときをいう
- 緩和な一整合性制約
- 『「かなり」(一対比較値5)A > B』 かつ
『「うんと」(一対比較値7)でB > C』 のとき,
『A > Cは,「うんと」(一対比較値7)以上』とならなくてはいけないという制約である.
- 理想点,満足点
- 対象の意思決定問題のある評価基準で,理想点は,これ以上よい代替案を求めないという代替案とする,満足点とは,ある評価基準で,これより悪い代替案は,満足せず,このことで,この代替案より悪い代替案は選択されないだろうという代替案である./dd>
「順序を指定して」は,あらかじめ,ある評価基準で,代替案に順位を指定しておいて,その順位を満たし,緩和な整合性制約やルールを起こさないような一対比較しか行えないようにしたものです.
このシステムでは,最初に,1位と最下位の代替案を一対比較するように,順位差が大きい順に一対比較を繰り返していくものです.
入力する回数(クリックする回数)は,通常の一対比較より多くなりますが,入力できる範囲が,矛盾のない範囲に限定されるので,格段に一対比較の負担が軽減されます.
通常の一対比較
ループをチェック
ループと緩和な整合性制約をチェック
順序を指定して,緩和な整合性制約を満たす範囲で一対比較
関連する論文等
- 高萩栄一郎:一対比較におけるループの解消と緩和な整合性制約を満たすためのアルゴリズム,日本経営数学会誌, 36-1, 2015.
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- ループをチェック,ループと緩和な整合性制約をチェック,順序の指定指定の部分の文献,同発表のスライド
- 高萩栄一郎:理想点,満足点を含めた一対比較について,日本経営数学会誌, Vol.29, No.1, pp.43-59, 2008.
- AHPで,理想点,満足点を指定して,順位逆転現象を防ぐ方法など
- 高萩栄一郎:一対比較によるショケ積分の被積分関数(入力値)の同定について, 知能のと情報(日本知能情報ファジィ学会誌), Vol. 19 (2007) No. 1 P 22-30.
- 理想点,満足点を含めた一対比較をショケ積分の被積分関数(入力値)の同定に利用したもの
- 田中 浩光:AHP における一対比較値の緩和な整合性指標について,数理解析研究所講究録, 京都大学, 1548, 122-129, 2007.
- 緩和な整合性指標についての論文
問い合わせ先:
高萩栄一郎 (専修大学商学部)
takahagi@isc.senshu-u.ac.jp